老人ホームの入居条件とは?最適な住まいを決める5つのポイント

公開日:2024/02/15  

家族が高齢化し、老人ホームに入居する必要が迫られたとき、なにを基準に施設を選んだら良いのでしょうか?じつは老人ホームにも、入居予定者の健康状態や年齢など、様々な制約条件があります。この記事の5つのポイントを押さえて、ご自身の家族が持続して、快適に過ごせる老人ホームを選択することが大切です。ぜひ最後までご覧ください。

要介護度

まず大切なのは老人ホームへ入居を希望する方の「要介護度」です。国が定める要介護度の判定基準によって、利用できる介護サービスが異なります。

要介護とはその名の通り、介護が必要である状態のことを指します。そして介護がどれくらい必要なのかを示す指標として用いられるのが要介護度です。

要介護度は判定が軽い順に自立、要支援が1~2段階、要介護が1~5段階までの8段階で判定されます。自立は介護が必要ない状態です。要支援は本格的な介護はまだ必要ない状態ですが、一部の生活動作で介助が必要な段階と判定された場合です。介助の必要性に応じて二段階のレベル分けがされています。そして要介護は、数字が上がっていくほど、重度の介護が必要になることを指しています。最も重い判定の要介護5は寝たきり状態のときに判定されることが多いです。

そして老人ホームにも種類があります。その種類ごとに設けられた「要介護度」の判定基準を満たす必要があるので確認しておきましょう。

公的機関が運営する「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」「介護医療院」では、要介護1以上に認定されていることが入居条件です。「特別養護老人ホーム」の場合は、要介護3以上の認定が必要になります。そして民間の有料老人ホームの場合は、要支援1以上が入居条件です。

住宅型の老人ホームの場合は、要介護認定を受けていない方でも入居ができます。ただし住宅型の場合は、介護度が低い方の入居を前提に作られているため、介護サービスがありません。住宅型老人ホーム入居中に、要介護度が上がった場合は、訪問介護サービスを利用したり、別の老人ホームへ移ったりする必要があります。

また要介護度とは別に注意しておきたいのは認知症の度合いです。介護はあまり必要としないが、徘徊などの認知症の症状がある方は、希望の老人ホームに入居できない場合があります。

また、入居直後は認知症の症状が見られなかったのに、家族と離れて暮らす環境により、認知症が発症してしまうケースもあります。入居希望の老人ホームでは、認知症をどの程度のレベルまで引き受けてくれるかも、検討が必要です。認知症認定を受けた方には、少人数制の「グループホーム」という形態の老人ホームもあります。

まず対象のご家族の介護認定度合いと認知症の度合いを確認して、入居できる老人ホームのタイプを絞るのがおすすめです。

医療依存度

老人ホームを決めるうえで「入居者がどれだけ医療的ケアを受ける必要があるか」という観点も重要になります。老人ホームは基本的に医療機関ではないため、医療的ケアに対する設備や人員は必要最低限です。

公共の特別養護老人ホームや、民間経営の有料老人ホームは、重度の持病を抱えている方は、入居できない可能性があります。重度の持病を抱えている方は、医師が常駐しているタイプの老人ホームである、介護老人保健施設や介護療養型医療施設、介護医療院への入居を検討しましょう。

年齢

老人ホームに入居できる条件は、入居対象者が原則65歳以上の場合です。ただし住宅型老人ホームの場合は介護を必要としない方でも入居できるので、65歳以下の方でも入居できます。

安定した収入

突然入居者やその家族が、老人ホームの月額利用料金の支払いが困難に陥った場合でも、施設の特性上、すぐに入居者を退去させるわけにはいきません。そのようなトラブルで老人ホーム運営側が不利益を被らないよう、入居者およびその家族の支払い能力が、事前に審査される場合があります。

入居前に資産や収入など支払い能力が証明できるものをヒヤリングされ「安定収入」と判断されれば入居が認められます。まずは入居予定の老人ホームの、月額利用料金を確認しましょう。支払いできるだけの経済的余力があるかも検討が必要です。

保証人・身元引受人

老人ホームに家族を入居させる場合は、基本的に保証人と身元引受人を設定する必要があります。似ているようで違う2つの設定は何が違うのでしょうか。

保証人

保証人は入居者に代わりに、老人ホームの入居中の手続きや判断、利用料支払いの経済的補償をする必要があります。

身元引受人

家族が老人ホーム入居中に、残念ながら亡くなってしまうこともありえます。その時に故人の身柄を引き取り、退去時の残金の清算や遺品を引き取る役割が、身元引受人です。

保証人と身元引受人は明確な区別がないため、基本的には経済的補償を果たす家族の人が、身元引受人も兼ねるケースが多いです。

まとめ

老人ホームへの入居させたい家族がいる場合、まずは入居対象の方の要介護度と心身状態、年齢を確認しましょう。それをもとに、入居できる老人ホームの選択肢を絞るのがおすすめです。

ある程度入居可能な老人ホームが絞れたら、次に身元保証人の設定、月額利用料金の支払いが可能かどうか、ご自身の周囲環境の確認も必要です。

この記事で解説した5つのポイントを押さえて、ご自身の家族が、持続的かつ快適な住まいで生活できるような選択をしてあげましょう。

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