老人ホームの入居に必要な保証人とは?身元引受人との違いも解説

公開日:2025/05/15  

保証人高齢化社会にともない、老人ホームの需要も高まっています。今後もその需要は高まっていくことでしょう。そんな老人ホームは、さまざまな種類が存在しており、入居する際には、費用や保証人など、準備するものがたくさんあります。今回は、老人ホームに入居する際の保証人や身元引受人との違いなどを中心に、詳しく解説します。

保証人とは?身元引受人との違い

まず、保証人とはいったい何なのか、身元引受人との違いについて、解説します。保証人は、老人ホーム入居者の認知症進行やさまざまな病状の悪化が原因により、本人が入居に関する判断や手続きなどができなくなった際に、代わりに役割を実行する人のことを指します。

基本的に保証人は、入居者に代わって、意思決定やトラブルが発生したときの対応、支払い債務の連帯保証などを任せられる存在として、必要となってくる存在です。そして身元引受人は、入居者本人が亡くなったとき、その身柄を引き受けて、施設を出ていくときの支払いなど、さまざまな手続きなどをするという役目を担う人のことです。

保証人になるための条件とは

保証人は誰でもいいというわけではありません。保証人になるためには、いくつか条件があります。その条件を満たして、はじめて保証人となる権利が得られるのです。また、審査のことを考えて、なるべく保証人となる候補者を1人だけに絞らず、複数人決めておくほうがよいでしょう。

審査の基準は入居する老人ホームによって異なっており、厳しいところもあれば、一定の条件を満たしていれば入居できる老人ホームもあります。事前に入居を希望するいくつかの老人ホームについて調べておくというのも、スムーズに入居するためのポイントといえます。

保証人の存在は必要不可欠

老人ホームの入居条件に関するガイドライン、介護施設のホームページやパンフレット、介護関連の専門サイトやQ&Aなどをみると、多くの老人ホームで保証人がいなければ入居できないとなっています。老人ホーム側からすると、それほど保証人の存在が必要不可欠となっているのです。そのため、まだ入居する予定がなくても、あらかじめ保証人を誰にするか検討しておくほうがよいかもしれません。

保証人の役割や必要な理由

次に、保証人の役割や必要な理由について説明します。老人ホームの入居を検討している人は、ぜひ、下記で解説する理由や役割を参考にしてみてください。

代わりとなって支払う

施設では、利用料として料金の支払いが発生します。この支払いが遅れてしまうと、代わりに保証人が支払う責任を負うという形になります。老人ホーム側としては、支払いをきちんとしてもらうために、保証人が必要になってくるということです。また、老人ホームによっては、支払い能力をもっている連帯保証人を用意できることが、入居するための条件として必須となります。

緊急時の連絡

入居者が急な病気や何らかのトラブルが発生した際の緊急連絡先として、保証人が必要になってきます。

入院の手続きや治療時の確認

高齢者は、どうしても認知症になるリスクが高くなります。そうなってしまうと、自己判断がつかなくなるため、手術の際の意思決定ができなくなってしまう恐れがあります。そんなときに、本人に代わって治療方法の確認や入院の際の手続きを行うという役割が発生するのです。

保証人や身元引受人がいない場合の対処法

最後に、保証人や身元引受人がいない人の場合の対処方について、詳しく解説します。老人ホームに入居しようとしている人のなかには、保証人がみつからないケースもあるでしょう。そういった場合に、どのようにして老人ホームに入居するのか、下記で解説します。ぜひ、参考にしてみてください。

保証会社を利用する

保証会社を利用するというのも、ひとつの方法です。保証会社を利用するメリットとして、経済的な保証ができたり、緊急時に連絡しやすいといった点が挙げられます。こちらは、施設の審査基準を満たせないときに有効とされており、保証会社を使えば保証人の代替となるので、非常におすすめです。

成年後見人を利用する

成年後見人を利用するというのも、ひとつの方法となるでしょう。そもそも成年後見人とは、認知症や障害などにより、さまざまな判断がつかなくなってしまった人の代わりに法律行為を実行する人のことを指します。こちらは、身近な親族だけでなく、弁護士や司法書士などの専門家でも後見人となれるため、頼れる親族がいない人には、おすすめの制度です。また、この制度を活用すれば、支払いの管理なども専門家に任せることが可能になるため、入居する老人ホーム側も安心というのも、メリットとなります。

まとめ

今回は、老人ホームの入居に必要な保証人について、または保証人がいないときの対応策などを解説しました。現在、私たちは高齢化社会とよばれている時代を生きています。これは、住宅の質の向上や公衆衛生の改善、そして医療技術の進歩により、病気やけがで亡くなる人が減少したためといわれています。今後も、高齢者のためのサービスなどは必要不可欠となってくることでしょう。今回紹介した老人ホームもそのひとつです。老人ホームといっても、さまざまな種類が存在しているため、入居前には、きちんと事前に調べて自分に合った老人ホームを探しておきましょう。そして、入居の際にはぜひ、今回紹介した内容を参考にしてみてください。

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