老人ホームの費用相場は?入居一時金についても解説

公開日:2023/06/14  

費用

「老人ホームの入居を考えているけれど、いくらかかるのか不安」という人も、多いのではないでしょうか。予算などの条件に合う老人ホームを探すには、費用相場を知ることが大切です。以下では施設の種類ごとの費用の目安となる相場や、入居一時金などについて解説します。ぜひ、理想の老人ホーム探しに役立ててください。

老人ホームの費用相場は施設の種類で異なる

老人ホームの費用相場は、施設のタイプにより変動します。老人ホームは入居者の介護度や認知症の有無などによって、さまざまなタイプがあります。ここでは老人ホームを「公的施設」と「民間施設」の2つに分け、費用相場をみていきましょう。

公的施設は費用相場が低いため人気が高い

公的施設は、自治体や社会福祉法人など公的な機関が運営しています。費用相場は低い価格帯であるため、入居希望者も多いのが特徴です。毎月かかる料金の相場は次の通りです。

特別養護老人ホームは5~15万円、介護老人保健施設は6~17万円、介護医療院(介護療養型医療施設)は6~17万円です。またケアハウスは7~20万円となっています。特別養護老人ホームや介護老人保健施設は、入居一時金などの初期費用もかかりません。

しかし費用が抑えられる分、入居待ちの場合も多いのが現状です。また介護老人保健施設は在宅復帰を目指す施設であり、入居期間が原則3か月という決まりがあるため、注意しましょう。

民間施設は費用相場が高めでサービスが充実している

民間企業などが運営する施設は費用相場が幅広く、公的施設と同程度のところもあれば、数百万円の施設もあります。全体的に費用相場は高めで、設備面やサービスが充実しているのが特徴です。

公的施設よりも入居待ちの人が比較的少なく、入居しやすいのもメリットといえるでしょう。民間施設で毎月発生する料金の相場は、次の通りです。

介護付き有料老人ホームは10~40万円、住宅型有料老人ホームは10~40万円、サービス付き高齢者向け住宅は8~20万円です。また、グループホームは10~18万円が相場です。

民間施設は、初期費用も高額である傾向にあります。しかしサービス付き高齢者向け住宅は敷金のみかかるため、初期費用を抑えられます。またグループホームは公的施設と同水準の費用相場ですが、入居条件があるため注意しましょう。

認知症であることや、施設と同じ地域に住民票があることが条件です。

入居一時金とは?

入居一時金は入居金や前払金とも呼ばれ、家賃の前払いの料金です。入居するにあたり必要になります。施設側は入居一時金を徴収することで、経営をスムーズに進め、安定した施設運営をするために役立てます。

入居者は入居一時金を支払うことで、月額料金を抑えながら、質の高い介護サービスの受けられるようになっています。

数年分の家賃を支払い償却される仕組み

入居一時金では、5~10年など想定される入居期間などをもとに計算した家賃を、前払いします。そのため入居一時金は高額になるケースがあります。

一定期間の家賃を前払いしているため、入居期間が長くなるほど償却されて、いずれ使い切る仕組みです。

しかし償却期間前に退去する場合は、償却していない金額が返還されます。また事業者が倒産しても、最大500万円まで償却していない金額が返還される制度が整えられています。

サービス付き高齢者向け住宅などの場合は敷金が必要

サービス付き高齢者向け住宅やシニア向けマンションに入居する場合は、一般的な不動産と同じように、賃貸契約を結ぶのが特徴です。そのため、入居一時金ではなく敷金を支払います。

敷金は家賃の6ヶ月分が上限となっているため、ほかの介護施設と比べると初期費用を抑えられます。また退去時には、原状復帰費用を差し引いた金額が返還される仕組みです。

老人ホームで発生する月額料金の内訳

老人ホームでは入居一時金のほかに、月額料金も発生します。施設により料金の名目は異なりますが、月額料金の内訳は以下のとおりです。

・賃料

・施設管理費

・食費

・水道光熱費や通信費

・そのほかの費用(医療費、日用品購入費など)

賃料

一般的な不動産の家賃にあたる部分です。公的施設の場合は、国により居室タイプごとに費用の基準が定められています。民間施設は、立地や居室のグレードなどにより異なります。

施設管理費

どの費用を施設管理費として徴収するかは、各事業所の判断に任されています。運営費などとされることもあり、とくに民間施設では徴収されることの多い名目です。施設の光熱費やレクリエーション費などが含まれることが多いようです。

食費

食費には食材費用はもちろん、厨房維持管理費や外部委託の費用などが含まれます。公的施設では所得に合わせ、自己負担額が300~1400円ほどに定められています。民間施設では独自に料金設定をしており、限度額などはありません。

水道光熱費や通信費

公的施設や民間施設に関わらず、水道光熱費や電話料金などの通信費は、入居者が負担します。施設ごとに支払い方法は異なり、これらの費用を施設管理費に含めて徴収するところもあります。

まとめ

老人ホームの利用にかかる費用相場は、公的施設では安く、民間施設では高いとい特徴があります。さらに立地によっても相場は変動するため、施設の種類と希望の地域を掛け合わせて調べるのがおすすめです。

また老人ホームを利用するために必要な費用は、入居一時金と月額料金の2つに分けられます。2つの費用相場を知ることで、予算などの条件に合う老人ホームに出会いやすくなるでしょう。

老人ホームにかかる費用の目安や内訳を知って、老人ホーム探しへの不安が解消できれば幸いです。

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